芦屋・西宮ロケの幻の1959年版「細雪」が3年ぶりに関西で上映されます

芦屋・西宮でロケが行われた谷崎潤一郎原作・1959年版「細雪」が大阪・九条のシネヌーヴォで上映されます。2010年2月にシネヌーヴォ、2011年5月に芦屋ルナホールで上映され、関西での上映は3年ぶり。ちなみに私はこの2回とも観に行ってます。


http://www.cinenouveau.com/sakuhin/muse/musesakuhin.html
全て日中の上映です。最寄り駅は阪神なんば線・地下鉄中央線九条駅
8月12日(火) 14:50
8月13日(水) 16:05
8月15日(金) 12:30
8月17日(日) 10:50
8月18日(月) 13:05



台本、阪急芦屋川駅で写されたスチール写真、キネマ旬報1959年1月下旬号
※きーぼー所蔵

1959年/105分/カラー大映東京
◎監督:島耕二 ◎原作:谷崎潤一郎 ◎脚本:八住利雄 ◎撮影:小原譲治 ◎照明:久保田行一 ◎録音:西井憲一 ◎美術:柴田篤二 ◎音楽:大森盛太郎
出演:轟夕起子京マチ子山本富士子、叶順子、信欣三、山茶花究、志摩多佳子、川崎敬三根上淳、藤田佳子、菅原謙二浦辺粂子船越英二春本富士夫、村田知英子、川上康子


谷崎潤一郎の名作「細雪」二度目の映画化。大阪・船場の旧家・藤岡家の美しい四人姉妹が辿るそれぞれの運命を描いた絢爛豪華な作品。京マチ子が次女幸子、山本富士子が三女雪子を演じた名編。時代設定は戦後だが、鉄砲水など原作の山場もキチンと踏襲。轟由起子は前作に続いての出演。

↑シネヌーヴォのサイトより


細雪の映画化は3度行われていますが、原作の舞台である芦屋・西宮でロケをしたのは本作だけ。設定年代が戦後(つまり制作当時)に変更されているため原作読者は面食らうでしょうが、割と丁寧に作られていて3作の中で一番好きです。



チラシ2種とスチール写真。妙子役の若尾文子は降板して叶順子に交代したため、写真はそのままで上から「叶順子」のスタンプ?が押されるという応急処置がされています。


クランクインが1958年(昭和33年)11月17日、公開が1959年(昭和34年)1月14日という慌ただしいスケジュール。原作、市川崑監督の映画は四季の描写が豊かなのに対し、本作はずっと秋です。


昔VHS化されていますが、それもかなり入手困難なので上映は貴重な鑑賞機会です。


●阪急芦屋川駅周辺
今とそれほど変わっていません。同駅と周辺は吉永小百合主演「青春のお通り 愛して泣いて突走れ!」(1966年日活、未ソフト化)でも登場。


夙川公園
こほろぎ橋周辺。


●阪急甲陽線沿線
夙川駅前の踏切や、旧サイゼリヤ北夙川店の近所など。


他には大阪、神戸が登場。
これほど阪急電車の出番が多い映画は中々珍しいです。映画「阪急電車」は別格として、あとは阪急宝塚線庄内駅を舞台とした「美貌の都」(1957年宝塚映画、未ソフト化)ぐらいでしょう。


きーぼー堂2011-5-11 1959年版「細雪」上映会記念(2)芦屋川駅周辺ロケ地紹介など
きーぼー堂2011-5-18 1959年版「細雪」上映会記念(3)夙川・阪急甲陽線沿線のロケ地紹介