走れ!ケー100ロケ地探訪(3)大阪(後編)大淀・中津

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走れ!ケー100ロケ地探訪(1)門司港駅・関門トンネル・旧門築大久保駅 - きーぼー堂
走れ!ケー100ロケ地探訪(4)山形〜羽黒山(出羽三山神社)・鶴岡銀座商店街〜 - きーぼー堂



「走れ!ケー100」オープニング

走れ!ケー100ロケ地探訪(2)大阪(前編)御堂筋・中之島公園・(株)オーヨド - きーぼー堂
↑の続きです。



2013年10月4日撮影
中国料理の店から出て来た紋太さんが、恩師・野川先生に偶然出会います。
「大淀飯店」があった一帯は関西共同印刷所(大淀中3丁目14-11)となっています。
大淀小松とこの大淀飯店でロケ地は大淀が中心と確信しました。当時の住宅地図で辛うじて特定。


野川先生を演じる藤岡重慶さんが初めて映るカットは、渋い顔でタバコを吸っていてヤクザか何かにしか見えず、先生と分かった時は凄く意外でした(汗)



2013年10月4日撮影
修理工場(大淀小松、現・オーヨド)から試運転中に制御が効かなくなり勝手に走り始めたケー100。右のビルは当時も今も橘香料(大淀中3丁目14-2)。ケー100は修理工場に向かって進んでいる事になり、この直前のカットからすると逆戻りしています。


2012年10月24日撮影
ケー100を探し阪急中津駅の近くの浜中津橋を歩く隆たち。中之島公園で節子さんと出会ってから約3km歩いて来ている事になります。あまり変化が無いので劇中画像は省略します。


この付近は緒形拳主演の映画「野獣刑事」(1982)でも阪上(泉谷しげる)の車の暴走シーンのロケ地となっています。
参考:ロケ地■北区中津: 映画「野獣刑事」信者



2012年10月24日撮影
浜中津橋は、日本最古の鉄道鉄橋です。明治7年の東海道線大阪〜神戸開業時にイギリスから輸入されて下十三川橋梁として架けられ、その一部が昭和10年に道路橋として転用されて現在に至っています。


大阪市:浜中津橋(はまなかつばし) (…>橋>橋の紹介)



2012年10月24日撮影
歩いている下をケー100がやって来るのに、隆たちは気付かないわけで。ここは修理工場から約1kmです。


2012年10月24日撮影
残念ながら、現在はこのトンネル状の空間には柵が設置されていて入れません。まるで廃線跡みたい。後で登場する中津二之橋が見えます。



2013年10月22日撮影
ケー100と阪急電車と日本最古の鉄道鉄橋の共演が実現。ここを出てケー100は急停車。阪急梅田駅〜十三駅間は良く歩いているので、ケー100のロケ地の中でも一番身近な場所です!

2012年10月24日撮影
ケー100の模型と記念撮影



2012年10月24日撮影
国道176号線の十三大橋。十三大橋を含め、この界隈は村上かつら「淀川ベルトコンベアガール」(全3巻)の舞台でもあります。
あげ工場で働く16歳の少女、かよは鉄橋の下で阪急電車がすれ違う間に3回願い事を叫ぶと叶うという噂を信じて「ともだちが、ほしい!!」と叫びます。


参考:淀川ベルトコンベアガール@大阪淀川区十三 - 人は島嶼にあらず



嘉代(紋太の母)「えーなーノブ!今日中に紋太を見つけんと、今月分の給料やらんからな!」
ノブちゃん「おかみさんそんな無茶な〜〜・・・」

2013年10月4日撮影


看板が見える北大阪運送は、現在は同じ場所で新北大阪運送と名前を変えています(大淀中3丁目11-8)。カメラが左に移動して行きます。

劇中で映っていたのと同じ建物は見当たりません。




2013年10月4日撮影
奥から来た嘉代が野川先生に激突、紋太さんは左へ逃走。左の会社の人達(?)がロケを見物しています。
直前のカットと同じ建物が奥に見えるので特定は出来ましたが、全く面影がありません。このカットでは一瞬左上にマイクが映り込んでしまっています。ケー100では琵琶湖、静岡編、能登の海岸など、良く見られる現象ですw



2013年10月4日撮影
紋太さんが逃げた方向へ行き、交差点を左へ2回曲がるとここに出ます。左奥にまた橘香料のビルが見えています。ここはケー100が走っている時にも全く同じアングルで登場。



2012年10月24日撮影
紋太さんが追い付かれたのは、道路から淀川の堤防に上がる歩道橋。


2012年10月24日撮影
中津二之橋といい、大正14年(1925年)製。昔は黒かったとは。ここも以前から知っている場所です。


同型で近くにある豊崎一之橋がAIRのオープニングで登場しています。ケー100を見た事があってAIRもプレイした人ってそうそう居ないですよねー。


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2012年10月24日撮影
阪急、特に京都線の車窓から良く見えます。橋の下の長柄運河は1969〜71年に埋め立てられたはずですが*1、ケー100の1973年当時でも水が流れていた事が確認出来ます。なぜ?


参考:十三のいま昔を歩こう : Category [ 長柄運河を歩く ]




中津二之橋を横から。堤防側の地形が変わっていて撮りにくいです。


長柄運河跡を利用して阪神高速淀川左岸線の延伸部が建設される予定で、そうなれば風景は大きく変わり、これらの歩道橋は撤去されるかも知れません。2013年2月に計画凍結の解除が発表され、地下40m以深に4車線の予定で、2020年度(平成32年度)完成予定という事です。


完成予想図は阪神高速道路株式会社 公式サイト淀川左岸線より。




2012年10月24日撮影
真ん中の工場に注目。

堤防の上から 2012年10月24日撮影
ここは、手塚治虫先生が(旧制)北野中学時代に勤労動員で働かされた大阪石綿という工場の跡地です。
こちらに掲載されている古い地図で確認出来ます。

のりみ通信 六稜会館での手塚治虫作品展

2014年1月23日追記:大阪石綿の跡地はサッパボイラとされていましたが、そこでは無くすぐ近くの別の場所という可能性が出て来ました。こちらの記事のコメント欄をご覧下さい。
ゴリモンな日々 | 手塚治虫ゆかりの工場は中津の淀川沿いにありました


当時の体験を元にして描かれた自伝的漫画「紙の砦」(1974年)では旋盤工場という設定で、最寄りの阪急中津駅、淀川の河川敷(まさにこの辺り)が登場したりしています。


現在は日本で唯一蒸気機関車のボイラー修復を手がけている会社として有名な「サッパボイラ」があります。いつの建物なんでしょう。サッパボイラは、有価証券報告書では大正7年現在地で創業という事になっているのが謎です。


2012年10月24日撮影
汽笛が聞こえた方向へ紋太さんは走り、ケー100を発見。道路標識が同じですね。
左上に建っていた小屋は無くなっています。



2012年10月24日撮影
遂にケー100を見つけた!後ろは東海道線大阪〜塚本間の下淀橋梁。


2012年10月24日撮影
後ろは新十三大橋。

2012年10月24日撮影
ケー100は右の坂を上がって来ました。




2012年10月24日撮影
隆と紋太さんが感動の再会を果たした場所!背後の広い敷地は大淀配水場で、現在は梅田スカイビルが目立ちます。



2012年10月24日撮影
ノブちゃんに「紋太さんは北海道行きをやめて鹿児島へ帰る事になったんよ」と告げられ怒る隆に「隆くん、実はな・・・」と言いかける紋太さん。
劇中では朝日放送(ABC)の電波塔、大阪タワー(1966年完成、2009年解体)とホテルプラザ(1969年完成、2011年解体)が見えます。

2013年10月4日撮影
ちょうど一年後。かなりマンションの建設が進んで窮屈な感じに。


対岸からの大阪タワー 2007年7月8日撮影


2009年3月27日撮影
大阪を舞台にしたウルトラマン第26・27話「怪獣殿下」前・後編では、科学特捜隊が怪獣ゴモラ対策本部を大阪タワーの展望台に設置するそうです。ウルトラマンもケー100もキー局はTBSですが、いわゆる「腸捻転」時代なので関西での本放送は朝日放送でした。


ケー100では登場人物が現実の地理からすると有り得ない道順や速さで動いている事が良くありますが、大阪編はロケ地が狭い範囲に密集していてほぼ自然にまとまっています。地元では無いけど、ケー100が自分が良く通る場所に来ていたと分かったのは嬉しいですね。



大阪編ロケ地探訪・動画版もご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=ri6IRxN9lD4


登場順
A:修理工場(大淀小松→オーヨド)
B:大淀飯店
C:橘香料
D:浜中津橋
E:北大阪運送
F:紋太さん嘉代に発見され逃走、嘉代が野川先生に激突
G:中津二之橋
H:隆と再会
Googleマップでケー100大阪編ロケ地マップを見る


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第10話「隆くんがやって来た −大阪の巻−」あらすじ


ブラック・ジャック「アリの足」舞台探訪@大阪梅田・阪急百貨店前 - きーぼー堂
月光仮面に見る昭和30年代の大阪(1)大阪駅前1 - きーぼー堂
忍者ハットリくん ニンニンふるさと大作戦の巻(1983)舞台探訪@伊賀上野 - きーぼー堂