珈琲屋ドリームの近況・開店のきっかけ

珈琲屋ドリームのマスター、細海研一さんが8月3日にご逝去されました。
ママさん(奥さん)によると、検査入院から3週間ほど後に亡くなり、本当に容態が悪かったのは最後の1週間ほどだったそうです。


私は8月18日に甲山タイガースさんを通じて教えてもらって亡くなった事を初めて知りました。マスターはそんな年齢でも無いし、いつも元気で病気のようにも見えなかったので大変驚きました。「最近見ないなあ」とは思っていたのですが・・・。


私が最初にドリームの前まで来たのはハルヒで登場直後の2006年5月。しかし高校生が一人で入るには勇気が要り、初めて入店したのは1年後、後輩とmixiで知り合った初対面の方とハルヒツアーをした時です。その後常連となり、マスターには大変お世話になりました。


ハルヒ・ドリーム関連の新聞スクラップ等をまとめた「涼宮ハルヒを掲載」を寄贈した時は喜んで頂けて、こんな記事が載ったと教えて頂いた事もありました。
今でも、ドリームに居るとマスターのオーダーを復唱する声が聞こえて来そうな気がします。



珈琲屋ドリームは、ママさん達が営業を続けています。
四十九日も過ぎましたし、ママさんがどうぞ書いて下さいと言ってくれたのでこうして書きました。「頑張ります」と書いておいてとの事です。影響を考え、直接的なタイトルにしませんでした。



珈琲屋ドリームの営業時間変更、定休日設定、ハルヒコースター再配布のお知らせ - きーぼー堂
↑このコースターは現在も配布中です。是非お越し下さい。


以下は2008年の冊子「元気な商店街 市場&お店 使えるヒント集」(財団法人 ひょうご産業活性化センター発行)に掲載されている珈琲屋ドリームの記事です。マスターのこだわりや人柄が良く分かり、ドリームの開店之きっかけ、店名の由来にも触れられています。



涼宮ハルヒの掲載」にそのコピーを収録してあります。

珈琲屋ドリーム にしきた商店街
夢“ドリーム”は実現するもの


どんなお店?


当店では世界中からとびきり上質のグルメ珈琲だけを集め、その生豆を店頭の直火式焙煎機で煎りあげています。商社から生豆を仕入れるところから焙煎、そして提供まで細海オーナー自身が責任を持って行っています。そのこだわりが当店の強みです。


珈琲は鮮度が大事で、いくら良い豆でも古くなると酸化してしまいます。珈琲豆は焙煎して最大1ヶ月が賞味期限、それを過ぎても飲めますが香りがなくなるそうです。豆は焙煎してから丸2日寝かして5〜10日の間に提供する。
これがおいしい珈琲をおいしく提供できるタイミングです。そのタイミングを逃さないためには細やかな配慮が必要で、大量に豆を仕入れて全国各地の店に卸すというようなチェーン展開の喫茶店では難しいとオーナーは考えられています。だからこそ、お店を大きくするよりもご自身の目が届く範囲で誠実にやっていきたいと考えられています。


オーナーと珈琲との出会いは、学生時代に友人たちと登山をした時に珈琲を振舞ったところ「美味しい」と言われたことでした。これをきっかけに性格が凝り性というのもあっていろいろ試し始められました。卒業して会社に勤めたり喫茶のチェーン店で店長を務めたりもされましたが、「いつか自分の珈琲店を持ちたい。自分で焙煎したい。」と思い続けてきました。


そして30歳になる前を機に「夢は見るものではなく実現するもの」と決心し、「ドリーム(夢)」の店を開店されました*1


今、取り組んでいることは?


西宮北口の近隣地域に住む人には転勤族も多いため、お店の常連になっても転勤で離れていく人がいます。しかし、東京や他の地域に転居しても、当店の珈琲が忘れられず豆を送って欲しいと言ってくださるお客様もあります。その時には、やはり豆の美味しい時期を過ぎないよう少量でも販売し発送するようにされています。


細海オーナーは「この仕事が好きだから手間をかけることが苦にならない。だから続けられる。」として、誠実な仕事をし続けることで長くお客様に支持されてきたと考えられています。


当店の常連客のおひとりに小説家の方がおられ、その作品に当店が実名で出ています。その作品が一昨年テレビアニメになったことから、全国からアニメファンの若者が来店するようになったそうです。そして店内の片隅で細海オーナーの珈琲を楽しみながら、アニメの中の主人公に思いを馳せているようです。

(後略)


これから取り組みたいことや課題は?


お客様は、午前中は地元のサラリーマンやリタイアされた高齢者が多く、昼はサラリーマンとOL、午後からはカルチャー教室帰りの女性グループの利用が多くなります。


そこで店内では、サンドイッチやサラダなどのランチメニューを提供し始めました。店内で調理することにこだわり、ドレッシングも手作りのものを出しています。



また1年位前からネットショップを立ち上げ、珈琲豆や珈琲器具、ミルなどの販売を始めています。大手のネットショップのモールへは出店せず、独自店舗で運営を行っていこうとされています。ブログも立ち上げ、当店の珈琲へのこだわりを発信されています。今ではブログを通じて、お客様との交流も図られています。


これからも当店の珈琲のこだわりやその美味しさを、発信し続けていこうと考えられています。


http://www.youtube.com/watch?v=-6J-pCykDmw
2012年11月11日、SOS団in西宮に集合よ!最終日に撮影した動画でマスターにも、顔出しではありませんが許可を得て少しだけ出演して頂いています。2分40秒頃から。


これは都合途中でカットしてありますが、「みんな辞退しはってね、彼(みっくんを指して)もそうだね。タイガースさんもいらないって。みんな偉いよ」と2度目以降の来店で栞を辞退したハルヒファンを褒めていらっしゃいました。

後ろの色紙は2010年12月の珈琲屋ドリーム感謝会の時のもの。

*1:最初からドリームだったわけでは無く、当初は「珈琲館」だったようです。西宮市立図書館所蔵の西宮市商店市場連盟編集・発行「にしのみやワンダーマーケット」(1989年)参照。