森田季節「ともだち同盟」舞台探訪(4)@三宮、山陽電鉄須磨浦公園駅

ともだち同盟の舞台は去年8月に行った大河原駅滝の茶屋駅だけ掲載して止まっていましたが、久々の掲載です。5月に須磨方面を中心に探訪しました。


今回紹介するのは、第一章「山陽電気鉄道月見山駅」P27〜29、弥刀が高校に入って間もない日曜の事を回想するシーンで登場する2ヶ所です。ジュンク堂は2011年5月23日、須磨浦公園駅2011年5月7日の撮影です。


弥刀は三宮へ買い物に行き、入学祝いに貰った図書カードでジュンク堂で本を、地下のHMVでCDを買っています。

ジュンク堂書店三宮店。ともだち同盟発売以前も来た事があります。雨の場面なので雨だと分かる場所で写してみましたが、三宮駅から来たらここは通らないんですよねえ。


三宮センター街側の入口から弥刀は入ったのでしょう。

弥刀は帰りの電車で寝過ごして終点の須磨浦公園駅まで行ってしまいます。
そこで「弥刀と千里の出会い、弥刀と芝宮の実質的な出会い」がありました。

いつ来てもここは閑散としていて、懐かしさと物悲しさが入り混じった気分にさせる。
駅の横からは山にのぼるロープウェーが出ているが、小雨がぱらついているから行楽客もいないのだろう。


駅の真上にあるのが鉢伏山への須磨浦ロープウェイの乗り場。確かに、電車が去ると寂しい雰囲気が漂います。

とりあえず、地下道からのぼりのホームに移動して、次の普通を待つ。
そして、そののぼりホームのベンチに二人の少女が座っていた。片方はうっすらと笑みを浮かべて、もう片方は飽きたような顔をして。


つまらない写真ですが、地下道。三宮方面行きホームに移動します。

弥刀視点で。

このベンチのどちらかですね。

ベンチは他にもありますが、雨の日に露天のベンチに座るはずは無いですし。



駅で一時間を無為に過ごし、外に出て見た須磨浦公園駅の外観。作中では外には出ませんが。

駅を出るとJR山陽本線が通っていて、その向こうはすぐ海です。


弥刀が三人の出会いを回想した後、弥刀は芝宮と千里の女子二人に須磨海浜水族園の案内をし、その後須磨海岸を歩き出してから千里がこんなセリフを言ってのけます。


「一ノ谷の合戦はこのあたりの海岸線で行われたわけですよね。きっと八百年ほど前は、この海水浴場も飛び散った血や腕で死屍累々の地獄絵図だったでしょう。
そんなところを交際中の男女が歩くわけですから、時代は移り変わるものですねえ。落ち武者の怨霊でも憑けばいいのに」(P31)


須磨浦公園駅の近くで一の谷合戦の名残に出会いました。

「敦盛塚石造五輪塔
1184年(寿永3年)2月7日に熊谷直実によって首を討たれた16歳の平敦盛の供養をするためにこの塔が建立されたという伝承があり、室町時代末期〜桃山時代の物と推定されているようです。


隣にその名も「敦盛そば」というそば屋がありました。江戸時代からの歴史がある店とは思いもよらず。


以下の写真は2010年8月に阪急百貨店・阪神百貨店共同企画「鉄道模型フェスティバル」の阪急百貨店会場で展示されていた須磨浦公園駅ジオラマです。

当時須磨浦公園駅は未訪でしたが、今見ると実に良く出来ていると分かります。



作中のベンチは矢印の場所です。


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