(寄稿)きーぼー堂1周年記念文章

仙人さん(仮名)からお祝い文を頂きました。

きーぼー堂とは、1203年(建仁3年)に現在の西宮市内に創建された仏教のお堂である。


絵図によれば、建仁3年に現在の西宮市柏堂(かやんどう)の辺りに「けもうたう」というお堂が一棟描かれているのが見える。また、鎌倉時代の資料によっては獣堂という漢字が当てられているものもある。これは希望を当時は「けもう」と発音していたことに由来するものである。

つまり、もともとの意味は希望堂だったのである。こういった名前のお堂はほかに類例を見ないが、この付近には名刹神呪寺(かんのうじ)もあり、その関係の施設が山に連なって建てられていた可能性もある。
たとえば、希望堂の所在であったとされる柏堂(かやんどう)という地名も、本来そういったお堂があったことを示唆しているといえる。おそらく、萱葺(かやぶ)きの屋根のお堂がこの地にあり、後で柏堂という地名をあてたのであろう。その後、江戸時代の資料では「希望堂」と書いているものあるので、少なくとも江戸時代中期にまで希望堂が存続していたことは確実である。


現在になって希望堂の由来を探る研究会が地元有志の手によって発足し、その代表者の方がきーぼーというハンドルネームで活躍されている。今後の活躍に期待したい。