クドわふたーの商店街と、甲子園口駅今昔


Key Official HomePage「クドわふたー」
Keyの「リトルバスターズ!」のスピンオフ作品、6月25日発売予定の「クドわふたー」のOPが4月3日秋葉原のV.I.Pイベントで公開され(そのニコニコ生放送のキャプチャ動画はすぐ動画サイトに転載された)、4月12日にYoutubeで正式版公開、4月13日午前7時25分にはOPの1分39秒辺りで登場する商店街を特定した


聖地巡礼】「クドわふたー」OPの商店街に行ってきた
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10375853


ニコニコ動画にアップされました。発見までの経緯も分かります。(ところで動画説明にある「自ブログ」=発見者のブログはどこなのだろう)
5月10日追記:第一発見者201-nishiさんのブログの記事「自力で聖地探したらあっさり見つかった件」(かいそくじゅんきゅう、にしあかしゆき)*1


その商店街が何と、地元西宮にモデルがありました!それも数え切れないほど見ている商店街でした。検証動画を見たのが4月26日。5月1・2日に現地を訪れました。特記以外その両日の撮影。

自宅から自転車で20分、JR東海道本線甲子園口駅南口。甲子園口とは言いますが、甲子園球場までは徒歩40分ほどです。
西隣の駅は蜻蛉迷宮第1話で登場したJR西宮駅

ここから振り返ればその商店街は見えます。


甲子園口本通商店街です。
言われてみれば左右の歩道の屋根の形など覚えがあるのだけど、さすがに甲子園口とは気付けませんでした。大した理由は無いのだろうけど、どうして甲子園口なのか凄く気になります。


りそな銀行はもじりでも無く「しみず銀行」になっています。清水銀行は静岡に実在しますが、作曲担当の清水準一さんをもじっているらしい。同様に、右の「中嶋看板」は制作進行の中嶋浩平さんの事。


「心の通う 買い物横丁」は広島駅前 愛友市場のキャッチフレーズのようですが、関連は不明→右上の写真http://www.hiroshimacci.or.jp/syoutengai-zanmai/aiyou.html
入口の看板が作中のようなデザインだった事はありません。

5月1日撮影、6月18日追加
高画質なら電柱の「前田クリニック」も見えますが、これは勿論だーまえこと麻枝准さんの事・・・と思いきや実際にあるんですね、何という偶然w分かっててそのまま使ってるんでしょうか。
前田クリニックの左に甲子園口商店街のゆるキャラ「コウちゃん」のペナント?が吊るされているが描かれているので、元になった写真が撮影されたのはコウちゃんがデビューした2008年7月以降のようです。
参考:公式サイトhttp://koshienguchi.com/character.html




6月16日撮影&追加 公開された本編中の画像に合わせて撮り直しました。キャプ画と先の写真の左にある駐車禁止の標識が見えなくなっている事に注意。

ちなみに、リトバスの舞台は麻布十番と埼玉の高校しか見つかっていません。
舞台探訪アーカイブ リトルバスターズ!

入り口をくぐってまた振り返れば、すぐそこに甲子園口駅が見えます。

商店街内の様子。どうしてここが舞台に選ばれたんだろう。この商店街は国道2号に通じていて、JR甲子園口駅から阪神甲子園駅へ向かう阪神バスが通ります。


大きな地図で見る
甲子園口駅南口から南西(左斜め下)への道が甲子園口商店街。
ペットボトルロケットを飛ばす川は地理的には近くの武庫川としか思えないのだけど、背景に特徴が無さ過ぎます。

阪急西宮北口駅からJR甲子園口駅までの距離は約2km、阪急バス39、50系統JR甲子園口行きが1時間に1〜2本出ています。徒歩なら約40分。

5月8日撮影、6月17日追加
徒歩で行くなら二見町1でJRの下をくぐるレンガアーチの名物トンネル「マンボウ」は必見です。甲子園口駅からは西へ徒歩3分ほど。
かなり無理な姿勢をとらないと通れない驚異的な低さで、メジャーで高さを測ってみると何と約130cm!身長145cmのクドでも立ったままでは通れません。

平松町のマンボウ(JRさくら夙川〜西宮間。阪神西宮駅の北)はこれより高く、谷崎潤一郎の「細雪」に登場する事で有名です。
マンボウ | 見どころスポット ーー 西宮流観光案内所
谷崎潤一郎の「細雪」を歩く 西宮編
Googleストリートビューで見る甲子園口のマンボウ


5月8日18時37分撮影
JR甲子園口駅甲子園球場から遠いとは言え、プロ野球の試合のある日には商店街を通って甲子園球場へ行き帰りしているユニフォーム姿のファンが良く見られます。写真には7台しか存在しないレアな阪神タクシーのタイガースキャブ、左端に広島カープ倉義和選手のユニフォームを来た人が写っています。

5月1日撮影、6月17日追加
この南口には、西宮は高校野球のメッカという事でバットとボールのモニュメント(写真左)があります。リトルバスターズ!が野球の話だった事とさり気なく関係あり?

クドわふたーは2010年6月25日発売予定です。
クドわふたーの話はここまでで、次は前々から書こうと思っていた甲子園口駅ネタ。


祖父母のアルバムに、こんな写真があります。

撮影日は昭和28(1953)年5月17日、写っている祖母自身の字で「奈良の帰途 甲子園駅前」とあります。アルバムによれば(祖母から見て)夫、母と東大寺春日神社(=春日大社)、奈良公園など奈良観光をして帰って来た所のようで、「疲れました」とコメントがあります。

祖父母は昭和24年から28年の間、甲子園口駅の近くで新婚生活をおくっていました。祖母は「甲子園駅」と書いていますが、
甲子園口駅 KOSHIENGUCHI STATION」(「駅」は旧字?)という看板が見えるので阪神電鉄甲子園駅では無く、間違いなく国鉄(現JR)甲子園口駅と分かります。

写っている駅舎は最初、昭和9(1934)年の駅開業時からある北口駅舎と思ったのですが、入口の左に駅舎は続いていないし、屋根の形、ホームの位置関係から明らかに違います。
ちなみに、西宮市内の駅で木造駅舎が残っているのは阪急甲陽線甲陽園駅と当駅だけです。

「保存版 西宮の今昔」(2009年4月、郷土出版社)に1978(昭和53)年に建て替えられる数年前の南口駅舎の写真が載っていました。

これは2010年5月1日現在の南口。昔と同じ位置からではバス停の屋根が視界を塞ぐのでやむなく右に移動しました。昔の写真で左端に移っている駅関係の建物は今も残っています(当記事1枚目の写真参照)。2本の木は昔と位置が違うようだけど移植したのかな?

屋根の形が一致!

57年前、祖母が立っていたのはこの場所だったのです。

南口は一見鉄筋コンクリート造りの現代的な駅舎ですが、離れて見れば西側の奥に瓦屋根の旧駅舎が部分的に残っているのが分かります。側面からは新駅舎との継ぎ目が観察可能。

日本国有鉄道停車場一覧 昭和60年6月1日現在」(日本交通公社、1985年)より(6月15日追加)。78年の南口駅舎改築の後、85年頃以降に旧駅舎の残った部分を隠すようにテナント部分が増築された事が分かります。


大阪方面行きホーム 2010年6月16日撮影&追加
ホームの屋根の柱にはアメリカのカーネギー社 1896年製 阪鶴鉄道=現JR福知山線向けを意味する刻印(かなり判読し辛いですが)などがある明治期の古レールが多数再利用されているので、鉄道考古学に興味のある方はそちらもチェックしてみて下さい。

神戸方面行きホームで柱と柱の間の繋ぎ材になっている古レール(180度回転)
CARNEGIE 1896 IIIIIIIII HANKAKU」
Iの数は製造月を表し、これは1896年9月製です。

我が人生の垢 東海道線甲子園口駅の古いレール 01 02 03(37まである)
カステラミルクの雑記帳 電車のことその4(読み取りやすい写真)

神戸方面行きホームから見た南口駅舎西側。

その右、例の商店街。

祖母は甲子園口駅前の商店街も利用していました。その約半世紀後に再び同じ西宮市に私が住み、9年後にまさかKey作品の舞台になるとは(笑)


参考
西宮通信 兵庫県の駅/古い写真(1950〜1970年代)
↑1968(昭和43)年当時の甲子園口駅など
宮っ子1984年7月号 祝 開業50周年 歴史きざむ甲子園口駅
昭和9年と59年の南口定点撮影
「なにそれ」〜全国の木造駅舎に愛をこめて〜
 ↑過去のものも含めて、全国の木造駅舎を紹介しています。
宮っ子1996年11月号 きれいになります 甲子園口駅前商店街
↑アーケードの完成予想図

*1:本文中にクドわふたーの文字が無いので検索でブログを簡単に見付けられないのは当然でした