谷川流原作・菜住小羽作画「蜻蛉迷宮」 第1話の舞台@西宮


蜻蛉迷宮
原作:谷川流さん、キャラクターメイキング:武田日向さん、作画:菜住小羽さん 電撃文庫MAGAZINEで連載

2008年6月の連載開始から1年2ヶ月。遂に単行本第1巻が発売されました。帯のコメントはヤマカンとは。

:蜻蛉迷宮(カゲロウ†メイキュウ)第一話@西宮 - 人は島嶼にあらず
雑誌掲載当時に「人は島嶼にあらず」さんで載せてもらった記事に加筆修正して掲載します。

特記無き限り写真は2008年6月の撮影です。

●1ページ目1コマ目


JR西宮駅の駅舎。駅の北口も南口も同じ構造の駅舎がありますが、写真は南口です。



ちなみに、2007年3月18日に改称されるまでは駅名は「西ノ宮」でした。下の写真は改称前日の撮影。

●1ページ目2コマ目


阪急西宮北口駅改札外の西側通路から神戸線2(右)・3(左)号ホームを見下ろしたところ。特急も回送も西宮北口駅で停車するので、実際は西宮北口駅の2番線を通過する電車は存在しません。駅舎のモデルのJR西宮駅と、このホームのモデルの阪急西宮北口駅は約1キロ離れた場所にあります。

※ 阪急では「番線」ではなく「号線」の呼称が使われていますが、ここでは作中に合わせて「番線」に統一して表記します。

●1ページ目3コマ目



西宮北口駅1番ホームから三宮方面降車専用ホームを見たところ。もちろん降車専用ホームなのでこんな光景は見られません。

引いたところ。後のコマで登場するホームとは様子が違っています。

この2件については下記を参考にしました。

■参考:後天性無気力症候群
【「蜻蛉迷宮」冒頭の駅のホームは西宮北口駅
http://d.hatena.ne.jp/giolum/20080602#1212333348

●1ページ目4コマ目


進入して来るのは阪急電車なのでモデルは西宮北口駅かと思いきや、実はJR西宮駅2番ホームです。写真の電車は各駅停車のJR207系。奥に阪急今津(南)線の鉄橋が見えます。「SOS」の文字の非常停止ボタン、左のホームの停止位置目標標識も実物通り描かれています(クリックすると拡大表示)。ホームの中ほどからズームで撮らないとこの構図にはなりません。

JR西宮駅は1、4番ホームが通過専用なので、ここも2番線を通過する列車は存在しません。

●2ページ目1コマ目

場所は未特定。

1〜2ページに登場する電車は阪急6000系ワンマン仕様車です。貫通扉の窓の上にワイパーが付いているのが特徴。甲陽線、今津(南)線で運行されています。アニメ版ハルヒ(2009年版)第20話「涼宮ハルヒの溜息Ⅰ」西宮北口駅神戸線ホームでは見られないはずの車両なので、京アニ涼宮ハルヒの憂鬱の取材時の資料を使っているのかも知れません。写真は2006年6月19日、ハルヒ1期放映順第13話「涼宮ハルヒの憂鬱 V」に登場する甲陽線水道路踏切で撮影。

■参考:後天性無気力症候群
【「蜻蛉迷宮」正式告知、そして舞台はまたも……】
http://d.hatena.ne.jp/giolum/20080411#1207844375

■参考:神奈井総社@rNote

涼宮ハルヒの憂鬱舞台の検証 その12】
http://kanai.dw.land.to/diary/2006-06-20a.htm

●2ページ目6コマ目


三宮方面降車ホーム、1ページ3コマ目で少年が立っていた位置の少し右。ホームの案内板と連絡通路の柱が見えます。

●3ページ目3コマ目



2010年2月20日撮影、4月30日追加


6番ホーム上にキヨスクがあるJRの駅、という手がかりを元にまずJR大阪駅に行ってみたら当たりでした。


,LEFT
6番ホームのキヨスクをアップで。



引くとこんな感じ。右上はヨドバシカメラ、左上は大阪駅新北ビル建設工事現場 のクレーン。


大阪駅6番ホームに停車中のJR321系

●3ページ目6コマ目

,LEFT


阪急電車の車端部。外観はJR、車内は阪急とちぐはぐな事になっています。


阪急はどれも似たような内装ですが、窓の大きさなどで9000系、天井の冷房吹き出し口の形状で8000系、消火器・禁煙の表示の位置で3000系、網棚の形などで5000系(リニューアル車)が除外され、作中の車輛の内装に該当するのは6000系7000系です。但し7000系の一部には8000系のように連続化した冷房吹き出し口を持つ車輛があります。


作中の貫通扉の両サイドに優先座席のステッカーが描写されています。阪急電鉄は1999年4月に優先座席を廃止し「全席優先座席」を導入、2007年10月29日に優先座席が復活したという経緯があるので取材はそれ以降に行われたようです。


貫通扉の窓に「携帯電話電源オフ車両」のステッカーがある事から神戸寄りの先頭車と分かります。もし1〜2ページの外観と同じように6000系ワンマン車がモデルなら、甲陽線では夙川寄りの6100代の先頭車となります。消火器の位置から見ても間違いありません。


涼宮ハルヒの憂鬱放映9話「サムデイインザレイン」でもキョンが商店街へストーブを取りに行く場面で阪急甲陽線6000系の車内が登場しましたが、それも夙川寄り端部から甲陽園方面を見たアングルでした。


写真は甲陽線でも使用される、今津(南)線の6000系ワンマン車の西宮北口寄り先頭車(甲陽線では夙川寄り、先に掲載した甲陽線の写真と同一車輛)で撮影しました。 この位置から車輛の左側に移って撮ればハルヒの時と同じアングルになります。

■参考:阪急電鉄 車両案内(携帯電話の終日電源オフ車両、優先座席について)
http://rail.hankyu.co.jp/sharyo/index.html

■参考:神奈井総社@rNote
涼宮ハルヒの憂鬱舞台の検証 その11】
http://kanai.dw.land.to/diary/2006-05-30a.htm

●4ページ目1コマ目


阪急西宮北口駅2階コンコースの「カリヨンの鐘」。“学校を出よう!”2巻で神田健一郎と星名サナエが待ち合わせに使った場所のモデルの候補地です。


2009年7月24日撮影
ここは先月(2009年7月)に行われた整備工事で様子が変わってしまいました。


■参考:後天性無気力症候群

【「学校を出よう!2」についての仮説その4 そして景色は変わって行く】

http://d.hatena.ne.jp/giolum/20070121

●4ページ目2コマ目

JR西宮駅南口前。宗次は大阪駅6番ホームからJR神戸線に乗って西宮駅に到着したようです。左にあるのは終戦50周年記念の平和モニュメント「平和の交響」で、平和を願う「手を合わせ(合掌)、手をつなぐ」形をモチーフにしているそうです。

■参考:西宮市HP 平和非核都市

http://www.nishi.or.jp/contents/00002483000200005.html

●4ページ3コマ目

同じく南口前のフレンテ西宮西館と東館の渡り廊下の階段。西宮駅とはつながっていません。写真では見えませんが実際に階段の裏に宝くじ売り場があります。

阪急とJRが混ざっていて場所の特定が難しくなっています。西宮北口駅の外側を登場させないのはハルヒとの差別化を図っているためかも?

●37ページ1コマ目
][t

宗次と由香子が入った「SOSバーガー」のモデルはモスバーガーJR西宮店でした。ぎをらむさん情報です。MOS→SOSとは上手い(笑)

由香子は「とりあえず駅前まで行こ!」と言って宗次をここに連れてきていますが、モスバーガーJR西宮店は西宮駅前から200mほど離れています。もしかするとSOS団ネタを使いたいがために駅前すぐのマクドナルド(4ページ2コマ目参照)ではなくて遠いモスバーガーの設定にしたのかも?


引いたところ。右の国道2号線を200mほど奥の東方向へ行き左に曲がると西宮駅があります。


店内もそのままでしたが、長くなったので別の記事で。


残念ながらモスバーガーJR西宮店は、蜻蛉迷宮の単行本化を待たず2009年2月23日限りで閉店しました。写真は4月2日。


8月5日、同じ建物で中華料理店「華厨香」が開店しました。

第2話以降も掲載します。
2010年6月22日追記:そのつもりが放置中。
第2話以降は舞台探訪アーカイブ 蜻蛉迷宮を参照